頭のよい人

2009年04月15日 02:21

彼は小中学校時代の旧友。

小学校時代は一緒にトカゲやらムカデやらを大量に捕獲し、

中学時代には進学塾で一緒に下から2番目のクラスに入り、

二年目には一番上のクラスまで一緒に這い上がったのが懐かしい。

昔からそうだったが、彼は本当に頭がよい。

頭がよいだけではなくユーモアもあるし、なにより物事の本質をとらえている。

そんな彼が、以下のような記事をブログに書いていたので転載させていただく。

以下、友人が書いた記事。


新聞で就活の話題がにぎわえば、電車で学生の就活話も盛り上がる。

自分の経験を思い出してもやっぱり同じようなものだったのだが、聞いているとあまりの情報の偏りにかわいそうになる。学生が悪いのではなく、新卒重視の今の社会システムに問題があるのだが。

今日も残業で疲れた帰りの電車でのこと。二人の学生が脇目のサラリーマンを気にせず、大声で話している。

A 「俺は証券と銀行しか見てないな。やっぱり時代の先を行くのはこの二つだよ。」
B 「まーね。世の中やっぱり実力社会になっていったのも金融が先だったし、今後もそうだよね。」
A 「絶対、日本も銀行や証券なら年収一億円超える人もざらに出てくるぜ・・・」

うーん、かなり偏っている・・・、確かに年収二十億円を稼いだ伝説のサラリーマン明神氏もいたことだし、証券のトレーディングならあり得るかもしれないな。それに投資銀行バブルのときも、M&Aやってたりすれば、年収一億円は行く人もいたみだいだし。

でも、日本の銀行でそれはあと数十年は無理だよな。そんなことするには、労組をぶっ壊して、人材の流動化の徹底をしなければ許されることではない。


A 「俺はB to BみたいなまどろっこしいものよりもB to Cのビジネスのほうがいいんだよね。」
B 「ああ、そうなんだ。どっちかというと俺はB to B型なんだよね」

B to Bのどこがまどろっこしいのか意味不明であるが、一般消費者からのクレームはどこの業界でもものすごい。自己責任の投資でも、当然のごとくしつこいクレームは来る。B to BだろうとB to Cだろうと会社で働いている以上は、組織の論理を優先して働かなければならないから、そんなに自由な行動はとれるはずがない。

B to Bが向いているというのもやはり意味が不明である。お客となる相手にも、癖のある担当者もいればない担当者もいる。リベートを求めるような汚い奴もいれば、先入観だけで君をあしらう人もいる。


「俺は絶対に一般ピープルになんかなりたくねーよ。出世する気満々だよ。少なくとも40代には銀行の支店長になるね。その後なら出向させられてもいいけど。」

銀行の支店長って、一般ピープルではないのだろうか。支店長といっても地方の小さな支店に行けばもっと若くして支店長になれる可能性もある。大体就職して、えらくなろう、と考える発想自体一般ピープル中の一般ピープルの発想だ。

出世する気満々、なんて簡単に言ってくれるが、出世はしようと思ってできるものではないと思う。たとえば、君の体長が急に悪くなり会社にいいけなくなったらそれで無理なのである。いや、君ではなく、君の家族の体長が悪くなり、会社に行けなくなっただけでも事態は非常に厳しくなる。君の仕事への打ち込みが家族を崩壊させることもある。それどころか、異動して課長になったと思ったら、前の上司に反感を抱いていた部下が次々と次の職場を決め辞めていくという事態も発生するかもしれない。それはもちろん倫理上君の責任ではない。でも、会社では君の失点となることもあるのだ。出世は偶然の産物である。君は君の生き抜く人生の手段や理想を探すべきであり、見返りを目標とすべきではないのだ。


A「おれはメーカーには行きたくないな。」
B「おれは心底モノ作りに惚れているんだよね。だから、メーカーも候補に入れている。やっぱり日本はモノ作りの国だから」

学生がモノ作りに惚れているというのもなんとも不思議だあな。図工や美術の時間に作る作品ではないぞ。よし、君にねじ造りの作業をお願いしよう。 10年作って0.1ミリのずれもないねじを作れるようになれ。君の先生はあの酒臭い熟練の先輩だ!と言われたらどうだろうか?しかも、現在名だたるメーカーは為替の影響で損益分岐点を割れている状況である。モノ作りの国なんて古臭い言葉を言っていたら置いて行かれる。電機業界はもののあふれる現在で、パラダイムシフトに苦しんでいる。モノ作りは完全な不況産業である。榊原英資の本を読めばわかるだろう。

楽な仕事などない。

こまかな管理をできるから経理畑を歩もうとした君。君は細かくても営業はずぼらで、不良債権作ったり、計上漏れをしょっちゅうするぞ。そんな営業に怒鳴る仕事が楽しいといえるか?

法務畑を歩もうとした君。知的なことをしたいと思っていても、営業が書類を渡さなかったため、いきなり海外から訴訟を突き付けられ、数億円の賠償金を請求されたときも、自分が知的なことをしているとおもえるか?

大切なことはどんなに苦しい時でも、君を支えられるプライドの持てる仕事をすることである。心底苦しくても、おれはこれをやらなければならないんだ、これで生き抜くんだ、これで食っていくんだ、という信念が必要なのだ。

学生の側からしてみればそれも仕様のないことである。だって会社の数は星の数ほどある。現実問題として、ある程度の思い込みがなければ、志望先を絞ることもできないのだ。働いたこともないのに、働いたふりをして将来の目標を立てなければならない。卒業後に他の仕事を経験してから目標を立てるとか、留学してかえって来てから仕事を探そう、という人たちには、あからさまに冷たいのが日本社会である。俺はこんなに会社のためにくだらない儲からないことも頑張ってきたのに、途中から入ってきたあいつに苦労もさせないで出世させるか、というひがみ根性が生まれるのだ。

さて、君はどのように生きるべきか。

コメント

ども。お久しぶり。
いやはや、面白い記事だったので思わずコメントしちゃいます。

会社に入って実際に働いてみないとわからないことが多すぎるけど、
学生にその機会があまり与えられていないって言う所も問題の一つなのかな、と。

自分がプライドを持って臨める仕事、ホント大事だと思う。
幸い俺は今けっこう良い感じでプライド持って働けてます。感謝。


投稿者:あきぐち|2009年04月16日 01:45
コメント

こんにちは!

>大切なことはどんなに苦しい時でも、君を支えられるプライドの持てる仕事をすることである。

のところに、衝撃(←いい意味で)を受けたので、おもわずコメントしてしまいました!

プライド..。大事ですね。
やる気って大事ですね。
ダラダラ惰性でやってはいけませんね!

素敵な言葉を紹介していただき、ありがとうございました!(_ _*)


投稿者:いりこ|2009年05月10日 23:48

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